人生観が変わった。『論語と算盤』から得た人生論。
皆さんこんにちは。管理人のPaZooです。
そういえば、明けましておめでとうございました!(いつの間にか年越してた)
最近、会社の上司(というかめっちゃ偉い人)に悩みを相談したところ『論語と算盤』をオススメしてもらったので冬休み中に読了しました!
この本は、大正5年に出版された古典名著「論語と算盤」が気軽に読めるように現代語訳されており、今の時代でも通用するビジネスマインドを学ぶことができる一冊になっております。
上記に該当する人にオススメな一冊です。
それでは、ざっくりと紹介させていたただきます!
論語と算盤とは?
日本で最初の銀行って皆さんご存知でしょうか?そう、第一国立銀行(現在みずほ銀行)です。
第一国立銀行をはじめ、生涯に渡り約500もの会社を設立及び育成に関わった「日本実業界の父・渋沢栄一」が各地で演説した内容がまとめられた一冊。
本の中で渋沢栄一は道徳を「論語」、経済を「算盤」に比喩し、その2つを一致させることが大切だと説いています。
ちなみに、「論語」とは中国の思想家である孔子(こうし)の言行録で、「人はどう生きるべきか」「どう振舞うべきか」といったことを学ぼうとするときの古典とも言われる書物です。
渋沢栄一は、普段から「論語」を社会で生きていくための絶対的な教えとして常に自分の側に置いていたと言われてます。
少し読み解くのが難しめな内容の本なので、読み終えるまでに約3時間ほどかかりました。
読んだ感想
わたしが特にお気に入りの内容をご紹介させていただきます!
利殖法について初めて知った
「資本主義」について、ご存知でしょうか ?
わたしのざっくりイメージだと「お金持ちになりたい」とか「利益を増やしたい」という欲望をエネルギーにして前進しているイメージです。
さて、ここであなたに質問です。
お金持ちになるためには、多くの人を犠牲にしてお金持ちになっても得たお金に「価値」はあると思いますか?
渋沢栄一は、本書の中で
「どんな手段を使っても豊かになって地位を得られれば、それが成功だと信じている者すらいるが、わたしはこのような考え方を決して認めることができない。素晴らしい人格をもとに正義を行い、正しい人生の道を歩み、その結果手にした地位でなければ、完全な成功とは言えないのだ。」
と述べています。
上記は「論語」の精神に基づいた正しい行動から得た成功でなければ成功とは言えず、更に「不誠実な行いから得た利益は永続しない」とも警告しています。
しかし、渋沢栄一は社会主義のために道徳を振りかざすことや金銭に対して卑しい心をもつという風潮が行われることにも警告しています。
何故ならば、現実に成り立たない道徳は人々から活力を奪ってしまい、国家も衰えて最後には国が滅亡してしまうからです。
実際にあった例として、中国では宗の時代に仁義や道徳を唱えるばかりで物事を発展させる肝心な考えが抜け落ちていたため、人々の活力が失われてしまい国家が衰退してしまいました。
もちろん「利益を増やしたい」「事業を発展させたい」という欲望は常に持っておくべきでありますが、欲望は「仁・義・徳」という道理によって制御することが必要です。
志には「大立志」と「小立志」がある
更に、渋沢栄一は「志の大切さ」をも説いています。
志には
大立志:一生をかけて追い求める目標
小立志:大きな志を実現するための目標
上記2つがあり、大立志に対しては「決めるときはよくよく考えて決めなさい」「一生の志なのだから、一時の情熱に任せて見当違いの道を進まないように」とアドバイスされていました。
この言葉は非常に心に刺さる方も多いのではないでしょうか?
志と振る舞いの現実
「志」がいかに真面目で、良心的かつ思いやりにあふれていても、その「振舞い」が鈍くさかったり、わがまま勝手であれば、手の施しようがない。
「志」が多少曲がっていたとしても、その振舞いが機敏で忠実、人から信用されるものであれば、その人は成功する。
めっちゃええこと言うやん。。。君子かな?!!
とも思いますが、渋沢栄一は優等生の理想論ばかりを語っているわけではありません。
実社会においても、人の心の善悪よりは、その「振舞い」の善悪に重点がおかれる。
しかも、心の善悪よりも「振舞い」の善悪の法が、傍から判別しやすいため、どうしても「振舞い」にすぐれ、よく見えるほうが信頼されやすくなるのだ。
うん。ほんそれな。
これ、どんな話かって言うと「要領がいいやつが成功するんだよね」と世知辛い現実も紹介してました。
道徳の心を忘れずに、それでいて、要領よく。
こんな要素も踏まえながら、実社会で上手く生きていきたいものです。
調子に乗るのはよくない
イソップ物語の「ウサギとカメ」をはじめ、昔から語り継がれている教訓である『調子に乗るな』について渋沢栄一も同じことを説いています。
およそどんなに些細な仕事でも、それは大きな仕事の小さな一部なのだ。これが満足にできないと、ついに全体のケジメがつかなくなってしまう。
…はい。何歳になっても、つい油断してしまうものですよね。
『調子に乗るな』は本当に良いお話でした。
まとめ
現代で応用できるビジネスマインドがいくつも書かれている「論語と算盤」を今回ご紹介させていただきました。
「儒教と実業」というテーマを主軸としながら、内容は非常に幅広かったです。
人格をどう磨けばよいのか、合理的な経営とは何か、江戸時代と明治時代の教育の違いなど取り上げられています。
この本は、何度も読みたくなる一冊ですね。
論語と算盤は、現代のビジネスマンに大きな示唆を与えてくれる一冊となっていますのでぜひ読んでみてはいかがでしょうか?